粉青青磁
左と中 北宋汝 右 南宋の汝
粉青青磁 下燕瓶
つばめが下向きにぶらさがる様からこう呼ばれます
砧青磁の元型 唐代のきん窯の副葬品 則天武后失脚時に作成か 実に暗い柚です
元型は楽器 つるして叩く青銅器でした。
やがて竜泉窯に引き継がれ、わが国ではきぬた（砧）青磁と呼ばれます。文化の違いを感じます。
これを元型とする、南宋 高宗の皇太子のための磁器。
子を亡くす親の悲哀といえば、まず、唐代、則天武后の子、中宗が、殺された、愛息、いとくのため、焼いたもの。
まず、これでしょうか。
下は現代復古品の可能性があります。2013・06・25
100個単位、1000個単位の販売をしています。
コピー品が出てくると、又いちから、やり直しです。
（写真をあまり載せたくない理由。ご理解ください。）
元型の可能性も残りますが。真品も売りに掛からなければ、一切、闇の中です。
魚 三歳の皇太子でしょう 耳は亡くした者を意味します
壷の横段の線。法を表します。強い思いです。
ふっくらとした頭と胴、ひきかえ、誠に頼りない足。
取っ手は愛らしく、元気に上げた両の手のよう。
よく子供が、親に抱き上げてもらいたいとき、こうして近づいて来ます。
涙を誘う。
香炉 実に愛らしい。しかし、悲しい思い。
3日間、高宗は、泣きつづけた。良く、こういう話も残ると、又感心する。
南宋皇帝の皇太子達を一とうり、再度、調べました。
幼くして、亡くすというと、この皇太子以外、少ない。
粉青青磁 三足香炉
下は唐代の元型
則天武后から永泰までの期間に作成された。わが国では袴腰香炉と呼んでいます。
ここでも文化の違いを感じます。
龍泉窯に続く
三爪龍と四爪龍
左 高宗の子 皇太子墓副葬品 右 高宗墓か 王位を譲り、上皇となる。（共に推定）
壷の縦の線。線幅は、普通、旺を表す。そうならば、養子にした次皇帝が作らせたとなる。
松岡美術館の方に、一度、すべての法のご確認をお願いしたいものです。
補足 右 松岡美術館所蔵の壷 竜泉窯とありますが、郊壇下窯でも良いと思う。
高宗がひどく家族思いの方という事は、皆様、もうご存知のはず。
しかし、自身の壷（恐らく、骨壷）も、息子の壷に、似せるとは！
そうならば、なぜ、こういう貴重な（南宋六稜出墓）品が、わが国に伝わるのか？
興味の湧く事ですが、極めて出来の良い品。世界に誇れる、南宋官窯には間違いない。
自分の代で、長くつづいた王朝を、遠縁の血の薄い者に譲る。
国を攻められ、子に恵まれず、愛したきさきも、おぞましい最期を遂げる。
長く独身をつづける皇帝。こういう人もいた。
想像するだに、恐ろしい。先祖のした事（兄を毒殺）のタタリ、自身のうけた責め苦。
すべてが因果応報。
愛があるから悲しみが生まれる。
深い悲しみがあるから、中国歴代皇帝の磁器に名品は生まれる。
余談ながら
自身の一生も、旺の磁器、その悲哀をとうして、あらためて、ふりかえる。
このＨＰの副題でもあります。避けられる運命。避けられぬ宿命。
ひとは失敗、あやまちをする。悲哀と反省の中からのみ、次の一歩も踏み出せる。
避けられぬさだめ。
そう思ったのでしょうか。悲しみの貫入がなを増して、痛ましい。
